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NHKの新経営委員長の選任にあたっての申し入れを提出――7つの市民団体と13人のメディア研究者・ジャーナリストの連名で――

NHK経営委員会の石原委員長はさる410日の経営委員会で辞任を表明し了承されました。その結果、6月の任期まで石原氏は委員の職にとどまり、梅原委員長代行がその間、委員長代理を務めることになったとのことです。

 今回の放送法「改正」法案で経営委員会の機能強化が謳われていますが、その実態は総務省の権限強化ではないかと私たちは疑念を抱いています。そうした折から、メディアに関わりが深い研究者、ジャ-ナリストと「ちっと待って! NHK受信料義務化を考える全国市民連絡会」に参加している市民団体の間で、何らかのアクションを起こすべきではないかと議論が重ねられました。

 その結果、419日、7つの市民団体と13名のメディア研究者・ジャーナリストの連名で、下記のような要望文書を全経営委員に送付しました。また、翌420には、この申し入れに賛同した市民団体と個人の代表7名が記者会見を行い、申し入れの経過と内容を発表しました。



                            
2007419
NHK経営委員 各位

放送の独立性の守護者にふさわしい見識と気概を持った経営委員長を
 ――NHK新経営委員長の選出にあたっての申し入れ――

 NHK経営委員会の委員長であった石原邦夫氏は、去る410日の経営委員会で委員長を辞任する意向を表明され、了承されました。これに伴い、5名の委員が改選される今年6月に新しい経営委員長が選任されると伝えられています。

 この機会に私たちジャーナリズムに関わる個人有志ならびに市民団体は、新しい経営委員長の選任にあたって、経営委員の皆様に以下のことを申し入れます。皆様におかれましては、この申し入れを十分考慮の上、公共放送としてのNHKの「経営方針その他その業務の運営に関する重要事項を決定する権限と責任を有する」(放送法第13条第2項)組織の長にふさわしい人選を行っていただくよう、強く要望いたします。

1.
行政府からの独立性を堅持するのにふさわしい委員長を 
 
放送法総則で定められた放送の自主自立を堅持するには、NHK理事会はもとより経営委員会も行政府からの独立性を保つことが不可欠です。ところが、現行の放送法では、経営委員は両議院の議を経て内閣総理大臣が任命することになっています(第16条第1項)。

 番組編集の独立性を侵す国際放送命令が総務大臣によって強権的に発動されたり、受信料の水準について総務大臣が越権的な発言を繰り返したりする状況の中で、私たちは経営委員会の独立性とその下での機能の強化が従来にも増して強く求められていると考えます。そのためには、行政府が経営委員の選任権を持つ上記のような仕組みを再考する必要を強く感じます。

 しかし、たとえ、内閣総理大臣によって任命された経営委員であっても、時の行政府の意向を忖度したり、それにおもねたりするようでは視聴者を代表する機関の委員として失格です。むしろ、行政府による放送への介入・干渉を毅然と跳ね返し、NHKの独立性を守る砦として経営委員会を機能させるだけの気概と見識を持った委員長を選任されるよう、強く要請します。

2.公共放送を監督する組織の長にふさわしい委員長を

 一部の報道によれば、政府は「後任に企業経営の経験が豊富な人材を登用する方針で、具体的な人選を進めるもよう」(『日本経済新聞』48日)と伝えられています。しかし、公共放送としてのNHKの業務執行を監督する職責を担う経営委員会の長には、時の権力を監視しつつ、視聴者の知る権利に応える番組を制作し放送するよう、NHKを促す資質が求められます。そのために、私たちは企業経営の経験ではなく、公共放送のあるべき姿についての高い見識と放送文化についての深い造詣を備えた経営委員長を待望します。

3.経営委員長の選任権を有効に活用されるよう要望します
 現行の放送法では、経営委員長は委員の互選によって選出することになっています(第15条第2項)。にもかかわらず、今回の経営委員長の人選は非公式ながら、行政府の主導で進められようとしています。私たちはこのように行政府が経営委員長の人事に越権的に干渉することに強い危惧と怒りを感じています。

 上記の1で指摘した経営委員会の行政府からの独立性を具体的に示す意味でも、今回の経営委員長の人選は放送法の定めに則り、経営委員の主体的合議で決せられるよう、強く要望します。また、選出の経過を示す経営委員会の審議の模様を議事録で公開され、視聴者への説明責任を果たされるよう求めます。

                                     以上

賛同者
 個人:
  石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)
  岩崎貞明(『放送レポート』編集長)
  岡本 厚(『世界』編集長) 
  桂 敬一(立正大学講師)
  北村 肇(『週刊金曜日』編集長) 
   阪口徳雄(弁護士)
  篠田博之(月刊『創』編集長)
  田島泰彦(上智大学教授)
  野中章弘(アジアプレス代表)
  服部孝章(立教大学教授)
  原 寿雄(ジャーナリスト)
  林香里(東京大学情報学環助教授)  
  松田 浩(メディア研究者)

 団体:
  NHK問題京都連絡会
  NHK問題を考える大阪の市民の会
  NHK問題を考える会(兵庫)
  NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
  日本ジャーナリスト会議
  放送を語る会
  メディアの危機を訴える市民ネットワ

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放送法「改正」法案の全文判明

 去る4月4日に全国市民連絡会への参加団体代表ほか7名が総務省に出向き、受信料の義務化反対と放送への行政介入を目論む放送法改悪法案の撤回を求める申し入れをした。その折、応対した総務省放送政策課職員に、放送法「改正」法案が国会に提出されたら、至急全文を提供するよう要請した。

 今日の夕方、この件で全国市民連絡会の連絡窓口に同職員から連絡があり、法案全文が総務省のHPにまもなくアップされるとのこと。さっそく、HPにアクセスしたところ、次のとおりすでにアップされていた。
  http://www.soumu.go.jp/menu_04/k_houan.html

  膨大な分量だが、「放送法等の一部を改正する法律案新旧対照条文」がわかりやすい。以下、この文書にそって、主な「改正」箇所を紹介しておきたい。

  NHKに関する「改正」箇所
    1.経営委員会の権限の強化
       第13条~23条(1115ページ)
    2.監査委員会の設置
       第23条の31618ページ)
    3.国際放送の「手直し」
       第33条~35条(2223ページ)
    4.会計監査人による監査
       第40条の240条の42425ページ)

  一般放送事業者(民放)に関する「改正」箇所
    5.認定放送持株会社制度の導入
       第52条の2952条の363643ページ)
    6.総務大臣が再発防止計画の提出を命じる権限の新設
       第53条の84445ページ)

  全国市民連絡会は、目下、各参加団体に呼びかけ、4月21日(土)に開催される「拡大放送フォーラム」(主催:放送を語る会)を連絡会参加団体の交流の場としても位置づけ、成功に向けた準備を進めている。この場でも放送法改悪法案をめぐる議論が交わされる予定である。

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第25回 拡大放送フォーラムのお知らせ

全国市民連絡会に参加している「放送を語る会」は恒例の放送フォーラムの第25回目を「拡大放送フォーラム」として、次のような企画を決定し、全国市民連絡会に参加している各団体に参加を呼びかけました。これを受けて、今、各団体で議論を起こしています。以下、「放送を語る会」の呼びかけ文を全国の視聴者の皆さまにお知らせします。

 折りしも、放送法「改正」法案が閣議決定され、国会に上程されることになりました。この法案の内容を理解し、今後の運動の備えにしたいものです。団体、個人を問わず、ぜひともご参加くださるよう、お願いします。

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 いま、全国でNHKの問題に取り組む市民団体が数を増しています。
放送法の「改正」案が提出された重大な時期に、市民交流会と緊急の講演会を企画しました。
NHK問題に取り組む市民の動きがどうなっているか、放送法の「改正」をどうとらえたらよいか、関心のある方の参加を期待しています。
 あわせて、緊急の課題となっている国民投票法案とメディアの関係についても講演があります。
地方選さなかですが、ぜひお出かけ下さい。

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拡大 放送フォーラム**************

ちょっと待って!放送法「改正」
~NHK受信料義務化・放送への権力の介入に反対する市民交流集会~

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 いま、放送への政府の強権的な介入がかつてなく強まりつつあります。
総務省が今国会に提出する放送法「改正」案では、受信料義務化は先送りされたものの、捏造番組などを対象とした行政処分を意図する内容を盛り込み、さらに、NHKのラジオ国際放送に加えてテレビ国際放送についても放送の命令を出す方針です。
 こうした中、「命令放送は違憲」として訴訟を起こした大阪のグループや、放送法改正問題について考える多くの視聴者・市民団体が全国で生まれています。

 今回の放送フォーラムは規模を広げ、市民にとって受信料義務化や番組捏造を口実にした権力の介入が何を意味するのかなど、本音で語り合います。

 また、現在国会で審議中の憲法改正をねらう国民投票法案について、イタリアで調査を行った弁護士の方に緊急報告してもらいます。

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内容
第1部 緊急報告「国民投票法案とメデイア規制」
 
 講師  坂本修弁護士、坂本雅弥弁護士(自由法曹団)

第2部 討論「NHK受信料義務化・行政処分にどう立ち向かうか」
  各地で活動する団体・個人の経験交流と、今後の取り組みについて意見交流します。

(参加を呼びかけている団体)
   「NHKを監視・激励する視聴者コミュニテイ」
   「日本ジャーナリスト会議」
   「日本放送労働組合」
   「全日本放送受信料労働組合」
   「日本消費者連盟」
   「メデイアの危機を訴える市民ネットワーク」
   「NHK問題を考える会」(兵庫)
   「NHK問題京都連絡会」
   「NHK問題を考える大阪の市民の会」
   「マスコミ九条の会」

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日時 4月21日(土) 13:00~17:00
場所 渋谷勤労福祉会館 第1洋室 
(渋谷公園通りパルコ角 03-3462-2511)
参加費800円(学生・会員500円)
終了後、懇親会を予定しています。(会費 2000円程度)
主催  放送を語る会
協賛 日本ジャーナリスト会議・メデイア総研

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総務大臣へ受信料義務化と放送への行政介入の撤回を求める申し入れ書を提出

 4月4日、連絡会への参加団体代表7名が総務省に出向き、応対した放送政策課職員を通じて、菅総務大臣宛の下記のような申し入れ書を提出するとともに、この申し入れに関する賛同署名者2000名(その後、65名分到着)の名簿を手渡した。

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                                                                 2007
44
総務大臣 菅義偉様

NHK受信料の義務化に反対し、放送法改悪案の撤回を
          求める申し入れ
 
  
ちょっと待って! NHK受信料義務化を考える全国市民連絡会
   
(参加団体は以下のとおり)   
           NHK問題京都連絡会     
           NHK問題を考える大阪の市民の会
           NHK問題を考える会(兵庫)
           NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
           東北NHK問題ネット
           日本ジャーナリスト会議
           日本消費者連盟
           放送を語る会
           マスコミ九条の会
           メディアの危機を訴える市民ネットワーク

 
総務省はNHKの受信料の支払い義務化を放送法に盛り込もうとしています。また、民放の番組ねつ造問題をきっかけに、放送への介入をもくろむ新たな措置を放送法に盛り込もうとしています。次の理由で、私たちはこうした放送法の改悪に強く反対し、法案を撤回されるよう求めます。

なぜ受信料の支払い義務化に反対するのか
1 受信料が義務化され、受信料を税金のように徴収する制度になれば、NHKへの国の支配が強められ、国営放送への道につながる恐れがあります。国の支配が強まると、NHKは自主・自立の立場で視聴者に情報が提供できず、視聴者の知る権利に奉仕できなくなります。

2 受信料の不払いと支払い保留の増加は、一連の不祥事や、政治家の顔色をうかがい、番組を改変するようなNHKの体質に対する視聴者の抗議が噴出したからです。こうしたNHKの体質を抜本的に改革しないで、支払いを義務づけるのは納得できません。

3 支払いを強制せず、契約の義務だけを定めた現在の制度は、視聴者の理解と支持を得るための努力をNHKに求めています。このような現行法の仕組みを壊し、受信料の支払いを法律で強制できるようになれば、NHKは視聴者の意見を聴く必要がなくなります。

なぜ放送への行政の介入に反対するのか
 
ねつ造問題をきっかけにした新たな措置では、総務大臣が違反した放送事業者に再発防止計画の提出を求め、大臣が提出された計画に意見を付与するとあります。そうなると、政治権力が番組内容にまで立ち入ることになります。これは明らかに、表現と報道の自由の侵害で、公権力の乱用です。テレビのモラル低下は世論の批判とテレビ事業者の自浄努力に委ねることにし、政府が介入すべきではありません。

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